――ロボティクス事業はどうなるのか?

 ロボティクスについて、よく、ASIMO量産化の話が出る。ASIMOは技術の塊だが、あのままの形で商品にするものではない。我々はロボットを作っているのではない。ロボティクスという技術領域について研究開発している。

 その技術を、例えば(衝突被害軽減ブレーキなどの)先進的な運転支援システムに活用すればいい。ロボティクスによって商品価値が上がり、そして作業の仕方も変わる。そのうえで、(今回、ロボティクス部門を融合したことによって)量産化または基礎研究を続けるのかの仕分けをしている。また、ライフクリエーションセンターが(旧)R&DセンターXと融合した価値も高く、海外での新たな実証に向けた準備も進めている段階だ。

本田技研工業の創業5年後、1953年に汎用事業を始めた。青山本社での展示から
本田技研工業の創業五年後、1953年に汎用事業を始めた。青山本社の展示から Photo by K.M.

――モビリティとしてみると、超小型EVの「MC-β」をハイブリッド化した試作車などがあるが?

 生活圏の中での、ラストマイルモビリティを想定している。エネルギーマネージメントと融合した、eMaaS (イー・マース)構想を公表しているが、モバイル・パワー・パック(MPP)を活用する。バッテリー交換器によって(ユーザー側の)充電時間の負担をなくす。

ホンダのロゴ
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 また、ハンドル形電動車いす「モンパル」(現在は生産中止)のような移動体でも、アタッチメントを変更することで平時だけではなく、災害時でも活用できる。さらには、発電機を含めて電気を作れば、小さなグリッドが生まれて、人の生活が変わる。グリッドを連携することで(いわゆる)スマートグリッドにつながる。(こうした次世代の生活に対して)パワープロダクツ事業での、ホンダが培ってきた経験値が生きる。

新しい暮らしを創造したい
ホンダらしい価値を提供する

―― いままでも話はハードウエア中心であり、サービスという出口戦略を描くことが必然だと思うが、その点はどう対応するのか?

 サービス領域について、研究所内ではデジタルソリューションセンターが受け持ち、彼らとライフクリエーションセンターが密に連携していく。これまでのような完成品のB2C、またはエンジンのB2Bなどの売り切り型ビジネスではない領域についても議論を重ねている。その上で、サービス優先で捉えてホンダのハードウエアがはまらないケースでは、他社からハードウエアを導入することも視野に入れている。