米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は今年、金利政策の転換を巧みに主導した。米経済の減速によるリセッション(景気後退)入りを阻止するため、なかなか首を縦に振らないFRB当局者たちを利下げに向けてまとめ上げた。これまでのところ取り組みは奏功し、米国の景気拡大は11年目に突入。失業率は50年ぶり低水準にとどまり、米株式市場は過去最高値圏で推移している。2020年を迎えようとする現在、パウエル氏は新たな任務を負っている。欧州や日本が苦しんでいるような景気低迷から米国を遠ざけることだ。目下の景気拡大局面の大半において、FRBは目標とする2%のインフレ率を達成できなかった。今やパウエル氏は、目標水準あるいはそれ以上のインフレ率を達成する決意を強めている。
FRBのトロイカ体制、パウエル流の総意形成
パウエル議長は何年も前から総意形成の下地を作ってきた
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