あらゆる企業が「変革」を求める時代でありながら、その成功例は多くない。その背景には、計画としての変革と行動としての変革との間に大きな隔たりが存在している。そこで、「言うは易し、行うは難し」「総論OK、各論NG」という変革を阻む意識や習慣を取り除き、変革を実践フェーズに導く存在として「プロ経営者」に注目が集まっている。 古い体質が残るプロ野球界で、横浜DeNAベイスターズを人気球団に変えた初代社長の池田純氏が、自身の経験に基づき、変革を実現するプロ経営者に必要な条件について示す。

「変革」が不可避の時代に

会社を根本的に変えるには、やはり「プロ経営者」が必要な理由
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 現代ほど「変革」という言葉が企業のキーワードとして一般化した時代はありません。事業分野や収益構造だけでなく、他社とのパートナーシップの在り方、社員の働き方、採用方法、人事評価の仕組み、会社のカルチャー、社員のマインドなど、企業を構成するあらゆる要素に変わることが求められていると言っても過言ではないでしょう。

 1990年代半ば以降、インターネットが普及してビジネスの基盤が大きく変わり始める一方で、経済が一気にグローバル化したことで、日本企業はそれまで以上に「外圧」にさらされることになりました。会社の在り方を世界基準に合わせることが求められている。しかし、その動きは遅々として進まない。そんな状態がこの20年以上続いてきました。

 さらに、少子化、高齢化によって社会構造も大きく変わろうとしています。国内市場が縮小し、働き手が減少する中で、どうやって生き残っていけばいいのか──。そんな問いと無縁の企業は1社もないと言っていいと思います。その問いへの答えが「会社自体が根本的に変わること」なのです。ダーウィンが言うように、生き残ることができるのは強い存在ではなく、環境の変化に柔軟に対応できる存在です。

 しかし、実際に変革に成功している日本企業は決して多くはありません。なぜ、変わることができないのでしょうか。原因は企業によって個別にあると思いますが、根本的な問題は、経営者が実は変革を求めていないこと、あるいは、経営者が変革をしたくてもさまざまな理由によってそれを実行できないことではないでしょうか。