視野を広げるきっかけとなる書籍をビジネスパーソン向けに厳選し、ダイジェストにして配信する「SERENDIP(セレンディップ)」。この連載では、経営層・管理層の新たな発想のきっかけになる書籍を、SERENDIP編集部のシニア・エディターである浅羽登志也氏がベンチャー起業やその後の経営者としての経験などからレビューします。
現実味を帯びる「人生100年時代」
幸せに生きるためにできることとは
私が、本格的にライターの仕事を始めたのは4年と少し前、50歳を過ぎてからだった。
それまで、IT系の専門誌に技術記事を書くことはあった。だが、本連載のように広く一般の読者を対象とした記事を書かせてもらうようになったのは、最近のことなのだ。
なぜ始めたのか。「書くこと」が好きというのもあるが、「できる仕事」の幅を広げたかったのである。
ライティングはさほど体力を使う仕事ではない。だから、歳をとっても、思考がおぼつかなくならない限り続けられる。
もちろん、簡単な仕事ではない。本連載はすでに100回を超えているのだが、毎回苦労しているし、ライターのみで生計を立てられるまで至っていないのは自覚している。
それでも、思惑どおり「できる仕事」が増えたのは確かだ。
近年、世の中では「人生100年時代」ということがよく言われる。昔のように60歳で定年を迎え悠々自適、という時代では、もはやない。
だが、60歳を過ぎても仕事を続けなくてはならないときに、たとえば同じ会社に勤続38年といった人が、新しい職に就こうにもなかなか選択の幅がない、といったケースが発生しがちではないだろうか。
まだ若くて、多少の無理が効くうちに、いろいろなチャレンジをして自分の可能性を広げ、人生100年時代に早めに備えた方がいいのかもしれない。