そして運転方法を説明してもらったが、やり方はシンプルだ。アクセルはハンドルを握った右手親指の位置にあり、ボタンのような形状のレバーを押すことで加速する。ただし、走りだす際の最初の2、3歩は自分の足で蹴り出さないとアクセルが作動しない。静止状態でアクセルレバーを押して急に発進し、事故を起こさないようにするためだ。ブレーキは自転車同様、レバーを両手で握る形となっている。

WIND写真試乗会で運転した最新モデル「WIND3.0」。道路交通法上、原動機付自転車に該当するため、公道走行時はナンバープレートの設置が義務付けられている Photo by K.T.
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 説明が終わったので、ヘルメットをかぶり出発。キックボードを前に押して車体を支えるスタンドを外し、数歩蹴ってアクセルレバーを押して加速した。蹴り足もボードに乗せると、滑るように真っすぐ進んでいく。幸運なことに好天で風が心地よく頰をなでる。モーターの動作音もほとんど気にならず、原付のエンジンのような騒音はない。アクセルレバーを押し続けると、両手のハンドルの真ん中にある速度計は時速17~18㎞ほどで安定した。

 この日の走行ルートは、道の駅の裏手にある川沿いの長方形の1周450mを巡るもの。スタートから200mほど直線を走った後に橋を渡るが、曲がり角や橋を渡る際はいったん降りて手で押すように指示されていた。

 時折自動車が横を擦り抜けていく場面はあったものの、ほとんど直線で走りやすい環境だったこともあり、初めて乗る体験会の参加者たちも若者から中年まで男女問わず難なく乗りこなせていた印象だ。

左手を離すと不安定!
「手信号」に“黄信号”

 ただし、走行中に一つ気になる出来事があった。記者が橋を渡って折り返してから直線を走っているとき、試しに左手を離してみると、車体が不安定になって大きくぐらついてしまったのだ(右手はアクセルレバーを押していないといけないので離せない)。危うく転倒しそうになったので、すぐ両手で握る体勢に戻さざるを得なかった。

 “左手離し”は何も、興味本位で行った暴挙ではない。最高速度が時速20km未満の原付と同じ車両区分の乗り物は法律上、方向指示器の設置が義務ではない代わりに、右左折の際は後続車へ手信号で知らせなければならないとされている。

 それができないならこの日のように、右左折ごとにいったん降りる選択肢もないわけではないが、どうせなら時間短縮のためにも、見てくれからしても、格好よくスムーズに乗りこなしたいと思うのが人情ではないか……!?

 ということで、この日の試乗会には一定の満足感を得つつ、後日、別の道で手信号を試すことにした。