日本の道路交通法上、電動キックボードは「原動機付自転車(原付)」と同じ扱いになる。日本で普及が遅れているのは、これによって欧米などより大きな制約を受けるからだ。法整備の面で鍵を握るのは、道交法を所管する警察庁。特集「来るか!?電動キックボード旋風」(全5回)の最終回では、普及に向けた最大のポイントとなる国内外の規制の動向を追った。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
シンガポールで
事実上の“禁止令”
「電動キックボードでの歩道の走行を禁止する」――。先進的なテクノロジーの導入に積極的だったはずのシンガポールが11月上旬、「ラスト1マイル」の移動を担う次世代モビリティとして人気を集めていた電動キックボードに対し、事実上の“禁止令”を出した。
同国では2017年2月に国会でアクティブモビリティ法が成立して以来、電動キックボードを含む個人用移動機器(パーソナル・モビリティ・デバイス、PMDs)の歩道、自転車専用レーンなどでの利用を解禁していた。
だが、死亡を含む事故や違反が相次いだことを受け、今年11月からは同国陸運庁(LTA)がPMDsのうち「ハンドルと電動モーターを備えたもの」への規制を強化し、走れる区間を国内にわずかしかない自転車専用レーンのみに制限するよう見直したのだ。違反すれば、最大3カ月の禁錮刑が科される可能性もある厳しい内容となっている。