日本では販売されている車体を買って使う場合(私有地で乗るか、公道を走る場合は道路交通法の保安基準を満たす形での使用が求められる)以外、電動キックボードに乗れる場所は限られている。まだ実証実験がほとんどだが、12月下旬時点で、国内で乗車できるのは以下の場所だ。

 このうち、スマートフォンのアプリを使った公道での有料サービスは、ウィンドが埼玉高速鉄道の浦和美園駅(さいたま市緑区)周辺で展開しているエリアのみ。市川の試乗会ではアプリが試せなかったこともあり、今度は浦和美園駅周辺の公道を走ってみることにした。

 12月下旬の平日夕方。浦和美園駅に着いて改札を出ると、すぐ左に数台の電動キックボードが並んでいるのが見える。そばの看板の指示に従い、早速アプリをダウンロードして初期情報を入力した。電話番号やクレジットカード情報の入力、運転免許証の写真のアップロードに数分かかったが、無事一連の手続きを終えた。

浦和美園駅WIND
浦和美園駅の改札前に置かれた電動キックボード「WIND2.0」。市川市の試乗会で使われたものより一つ前のモデルだ Photo by K.T.  拡大画像表示

 日本では現状、この浦和美園でのみアプリを使った公道の有料シェアリングサービスが始まっている。特集のVol.1(12月23日〈月〉配信)で述べたように、欧米で電動キックボードがはやっているのは、シェアリング形式であるが故だ。

 ただ欧米のサービスのほとんどが、街中のどこにでも車体を乗り捨てられる「放置モデル」であるのに対し、浦和美園では駐車する場所が決められている 「ポートモデル」。ユーザーにとっては放置モデルの方が圧倒的に便利なのだが……。日本の場合、放置自転車が大問題となっていることから、キックボード関係者らは「国内で放置モデルにするのは難しいだろう」と口をそろえる。

 いずれにせよ、アプリで開錠する点に違いはない。浦和美園のサービスでは開錠に100円、以後1分ごとに25円というのが基本的な料金体系となっている。アプリで開錠しない限りロックがかかり、キックボードは動かない仕組みだ。いざ、車体の上部に付いたQRコードをアプリで読み取り、十数秒すると地図画面が開いて時間のカウントが始まった。あとは、エレベーターで駅舎の下まで降りて、ヘルメットをかぶったら走行を始めるのみだ。もう辺りはすっかり暗くなっていたが、アプリで開錠後はライトがつく仕組みで、その点は大丈夫そうだった。