投資信託の主なコストは2つ

ノーロード(販売手数料無料)投信、中身は10年で手数料は20%以上も!安東隆司(あんどう・りゅうじ)
RIA JAPAN おカネ学株式会社 代表取締役 CFP、日経CNBCなどTVコメンテーター、海外ETF専門家、立教セカンドステージ大学講師
三菱UFJ銀行で17年、三菱UFJメリルリンチPB証券(出向)、ソシエテ・ジェネラル信託銀行勤務という、メガバンク、外資系証券・信託銀行で約26年の勤務を経験。その後半はプライベートバンカーを務め金融商品の運用について熟知。販売手数料(コミッション)を目的にしない、世界的潮流である「預かり資産管理」(フィーベース)のビジネス(RIA)を行う、独立系・投資助言業(内閣総理大臣登録)を2015年立ち上げる。著書に『個人型確定拠出年金iDeCoプロの運用教えてあげる!』(秀和システム)など。WEBサイトhttps://ria-japan.co.jp/

 確認すべきポイントは「信託報酬の水準」です。

 販売時の手数料が無料であったとしても、投資信託を保有している間にかかる、「信託報酬」が仮に2.585%であったとしたらどうでしょうか?

 10年間保有すれば、25.85%にもそのコストは膨れてしまうのです

 全額をこのように高い信託報酬の商品で運用はしないまでも、信託報酬が2%で10年間運用すれば、10年間に支払う信託報酬の累計は20%となります。

 細かいことですが、信託報酬が税引き前の表示で2%であれば、税金を加味すると、さらに高いコストになってしまいますね。

 信託報酬は預けた信託財産から、自動的に引かれていて、別途支払っているわけではないので信託報酬をコストとして認識していないお客様が極めて多く存在します。気づかない間に、高い買い物をしているケースの典型と言えるでしょう。

 もちろん、全てのノーロード投信がこのような高い信託報酬となっているわけではありません。

 後述する「つみたてNISA」で購入できる投資信託などは、基本的に購入時手数料がありません。

 しかも信託報酬が0.5%以下というような低い水準に抑えられているものが多くあります。これらは投資信託の選択肢として検討する価値があります。

 ノーロードの投資信託や、購入時の手数料無料のキャンペーンでは、購入時の手数料がありません。この点は良いのですが、「信託報酬」が高い水準になっていれば、トータルのコストは下がらないのです

 投資信託のコストは主に次の2つ。

 「購入の時に支払うもの」=購入時手数料(販売手数料)、そしてもうひとつが「運用管理費用」(信託報酬)。まず安いものを選択肢としましょう。