ミドリムシを原料とした機能性食品の販売やバイオジェット燃料の開発を行っているバイオテクノロジー企業のユーグレナが、なんと17歳の高校生をCFOに任命した。その狙いとは?(取材・文/嶺 竜一)

511人の中から選ばれたサミットメンバー。休日に集まってミーティングを行う

「CFO募集 ただし、 18歳以下」

 2019年8月、新聞の全面広告でその募集が発表された。広告主は、05年に世界で初めて沖縄県石垣島でミドリムシの屋外大量培養に成功し、ミドリムシを原料とした機能性食品や化粧品等を販売し、ミドリムシを原料としたバイオジェット燃料事業に挑戦するユーグレナである。

 ただしこのCFOとは、一般に知られるChief Financial Officerではなく、Chief Future Officer(最高未来責任者)の略。ユーグレナのSDGs(持続可能な開発目標)の達成目標の策定と啓蒙活動を担う。ユーグレナの未来をけん引するリーダーである。なぜこのようなポジションを設立したのか。

「当社は『人と地球を健康にする』を経営理念に、ミドリムシを通じて世界の未来を変えていくことをミッションとしている。ただし、30年後、40年後の未来を本気で考えたときに、30代の現経営陣だけでは難しい。未来を生きる当事者の考えやアイデアをもらって、私たちがCFOと一緒に働いていきたいと考えた」と永井慎也・管理部人事課長は語る。

高校で「フラボノイドと腸内細菌の関係」の研究をしているというCFOの小澤杏子さん

 511人の応募の中から、第1回のCFOに選ばれたのは、02年生まれの高校2年生、小澤杏子さん。ユーグレナの定期株主総会や各種の関係会合への参加、イベントの参加、発表やプレゼンテーションなども行い、報酬も支払われる。

 選定理由は、「広範な分野にわたる旺盛な知的好奇心、課外活動等における社会性の高さ、そして集団を先導していく上で必要な高い柔軟性とバランス感覚を備えている」と評価は高い。

 また、小澤さんとともにユーグレナの未来計画を作っていくメンバーとして、8人のサミットメンバーが選定された。

 任期は19年10月からの1年間だが、1年ごとのメンバーの入れ替えは考えていない。「メンバーが将来の当社の中核人材になってくれることを期待している」という。