瀬戸際の銀行・フィンテック連携 #4
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顧客数が多い三菱UFJ銀行と三井住友銀行、そしてみずほ銀行の3メガバンクは、フィンテック企業が率先してオープンAPIで連携しようとしている相手だ。一方、先進的な取り組みを進めるGMOあおぞらネット銀行がIT業界の熱い視線を集めている。特集「瀬戸際の銀行・フィンテック連携」(全5回)の#4では、これら大手銀行の戦略を担当者に聞いた。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

大オープンAPI時代に乗り出す
3メガバンクそれぞれの思惑

 2017年5月に改正銀行法が成立し、銀行界は一斉にAPIの開放に向けてかじを切ることになった。ただ、この「大オープンAPI時代」の夜明け前から、すでに一部の大手銀行はフィンテック企業との提携に向けて動きだしていた。

 三菱UFJ銀行にとってスタート地点となったのは15年に始まった「フィンテックチャレンジ」。ベンチャー企業との提携でビジネスのアイデアを競うこのハッカソンの初回において、クラウド会計のfreeeがAPIをテーマに大賞に輝いた。

 同行でAPI連携を進める柳澤隆デジタル企画部調査役は「ユーザー向けに本当に良いサービスを生み出せていたか、そこが反省点だった」と振り返る。こうしたハッカソンなどを通じて、より利便性が高いサービスを提供するには、API連携を進めて外部企業の力を借りることが最適解だという結論に行き着いた。

「電子決済等代行業者」として金融庁に登録した企業のうち、現時点で三菱UFJ銀と提携したところはfreeeやエメラダといったフィンテックベンチャーなど7社ある。例えばエメラダは、複数の銀行にまたがる企業の口座情報を取得し、オンラインでまとめて融資の審査や財務分析に活用してもらうプラットフォームを提供する。同社と提携した三菱UFJ銀は、エメラダが複数の金融機関のデータを統合していくことで、企業が抱える資金繰りの課題解決につながると実感した。

 この後触れる他のメガバンクと共に、三菱UFJ銀の提携先は2ページ目に一覧にしたので併せて確認してほしい。

 また同行自身は、APIの分野ではオンラインでの本人確認サービスに本腰を入れる。18年11月の法改正で、金融機関の口座開設時に郵送ではなくオンライン上での本人確認が認められた。そこで、銀行が持つ住所や氏名などの個人情報を、インターネット証券などに向けAPIで提供することで、即座に口座を開設できるように支援するというものだ。こうしたデータ提供を進め、金融サービスにおける「ユーザーの負荷を減らす」(柳澤氏)ことを狙う。