みずほ銀行藤原弘治頭取Photo by Masato Kato

1年で最も売れる「週刊ダイヤモンド」年末年始の恒例企画をオンラインで同時展開するスペシャル特集「総予測2020」。ダイヤモンド編集部が総力を挙げて、多くの識者や経営者に取材を敢行。「2020年の羅針盤」となる特集をお届けする。今回は、みずほ銀行の藤原弘治頭取に2020年の銀行業界を見通してもらった。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

独自の会員組織に2800社が集結
スタートアップ支援を強化する

――2019年はどんな一年でしたか。また、20年にはどんな事業分野に力を入れていきますか。

 2019年は、未来に向けて確かな一歩を踏み出した一年でした。

 19年を振り返ると、循環的な変化と構造的な変化が複合的に起きていました。循環的というのは、世界経済が調整局面に入り、製造業を中心に減速に転じました。

 構造的には、デジタル化とグローバル化に変化が起きています。米フェイスブックの仮想通貨「リブラ」や5Gの開始など、次世代の幕開けとなる事象が発生。また、米中摩擦がハイテク分野での覇権争いの様相を呈し、保護主義や自国主義にひずみが見られます。

 この中で、みずほは5カ年の経営計画をスタートさせ、次世代金融への転換を標榜しています。経営課題であった、次期システムへの移行を完遂しました。