フェイズの進展につれて競合も変化していく

村上:事業のフェイズが進展するにつれて、競合が変化していくという点も意識すべきでしょう。規模が小さい段階のスタートアップは、同じような規模の企業を競合とみなしがちですが、5年くらいして自分たちが成長した時に、競合がGAFAになるといったケースは往々にしてあります。

「うちは今GAFAとバッティングしないところでやっているので」と思っていても、自社のフェイズが変わった時にも果たしてそうなのか、といった視点を持つことは重要だと思います。

小林:「Amazonが同じことをやり始めたらどうするんですか?」という類の話は実際によくありますよね。中国であれば、アリババがやり始めたらどうするのか、日本だと、リクルートがやり始めたらどうするのかなど。

村上:スタートアップは往々にして、創業期はニッチ市場を攻めるものですが、スケールしようと思ったらマス市場に向かわざるを得ません。マス市場に行くと、確実に大手とバッティングしてしまうという広がり感を、認識しないといけないでしょう。それによって、組織設計や開発プランなど、様々な競合障壁の作り方に対する考えが変わるはずです。

小林:将来的に大きな競合とバッティングすることを認識した上で、どういった参入障壁が作り得るのかを説明することができれば、競争優位性に対する信頼感は高まりますよね。