全米で人気の投資家ブロガーが、10代の娘に向けて書いた『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』(ジェイエル・コリンズ著、小野一郎訳)がついに日本に上陸した。アメリカのFIREムーブメントの火付け役となった1冊だ。FIREとは、Financial Independence, Retire Early の略語で、若いうちに経済的自由を獲得して、早期リタイアを実現しようというもの。
原著はAmazon.comで1000以上の評価がつき、星5つ中、平均4.8というハイスコアで、読者の評判はすこぶる高い。今回、日本語版の一部を特別公開しよう。

父が教えてくれる「お金に使われない」ための19のガイドラインPhoto: Adobe Stock

使い方をマスターすれば
お金は頼もしい部下になる

 この本はブログから生まれました。そのブログはもともと10代の娘に書き始めた何通もの手紙でした。お金と投資の話が多かったものの、娘はまだ聞く準備ができていませんでした。

 複雑な世界を生き抜くために、お金は最も有力な道具です。生きる上でお金を理解することは最も大切です。使い方をマスターすれば、お金は忠実な部下になります。うまくやれないと、逆にあなたが使われてしまいます。

「お金は大切だと思うけど、一生、お金のことばかり考えたくないわ」と言う娘。

 なるほどと思いました。私はお金が好きですが、多くの人はお金以外のことに時間を使いたいものですね。橋をかける、病気を治す、契約の交渉、山登り、子どもの教育、ビジネスを始めるなど、いろいろあります。

 しかし、ファイナンスを知らないと、ファイナンスの世界で騙されてしまいます。

 投資をどこまでも複雑にしているのは、複雑にするほど大儲けをする人がいるからです。別の言い方をすれば、私たちに高い金を払わせ、罠にはめようとする人たちがいるのです。

 ここに大切な真実があります。

 複雑な投資は、それを生み出して売る人たちを儲けさせるためにあるのです。投資家にとってコストが高いのは、うまみが少ないということです。