社運をかけた重要なプレゼン、第一志望の会社の最終面接など、人生には「ここ一番の勝負どころ」がありますが、どんなに頑張っていても本番で100%の力を出し切れなかった経験もあるのではないでしょうか。本番でのパフォーマンスの質を高めるのに重要なのは、スキルや経験ではなく「心の状態」です。心の整え方を知っていると、「リラックスしながらも最高に集中できる」というよい状態で本番に臨めるようになるのです。そこで今回は、スポーツクライミング日本代表選手など、メンタルコーチとして数々のアスリートたちをサポートしてきた東篤志氏の『いつでも100%の力を発揮できる心の整え方』(青春出版社)から、本番でプレッシャーに負けない心の状態について解説します。
「メンタルが弱いと本番でうまくいかない」という誤解
結果を出すために大切なのは、心の状態である。このようなお話をすると、「じゃあ、すぐにマイナス思考になりやすい自分はダメだ…まず、もっと心を強くしなければ」こう思われる方が多くいます。
しかし、結果を出すために必要なのは、心の状態であり、心の「強さ」ではありません。心は体のなかに存在しておらず、脳がつくりだしている状態です。心が脳の状態の反映である以上、強いも弱いもありません。あるのは、そのときどきの「状態」だけであり、大切なことは、その状態がパフォーマンスにとってよい状態なのか、悪い状態なのか、ということだけなのです。