伝える!震わす!書く力。03
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書き手と読み手との間には、感情の交錯が必ず付きまとう。そのため読み手への配慮が、ビジネス文章における成功のカギとなる。2020年3月1日(日)まで全12回でお届けする特集『伝える!震わす!書く力。』の第3回は、ビジネス文章の3原則の1つ、「相手を意識する」について解説する。(ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

「週刊ダイヤモンド」2019年12月21日号の第1特集を基に再編集。肩書や数字など情報は雑誌掲載時のもの

ビジネス成功のカギは
相手への配慮

 ビジネスにおける文章の最大の特徴は、「読む相手がいる」ことだ。

「自分のビジネスを成功させたい」「業務をスムーズに進めたい」「問題を解決したい」――。相手はそういう動機を持ってあなたの文章を読む。つまり、これらの答えやヒントがあなたからの伝達に含まれているのではと、期待しているのだ。そのことをあなたは普段、どのくらい意識しながら文章を書いているだろうか。

 国立国語研究所の石黒圭教授は、ビジネス文章を「書かれた話し言葉」と表現する。例えば新聞や論文、レポートは、書き手が直接、読み手に向かって語りかけることはほとんどない。書き手が調べた内容を、関心を持った読み手が一方的に「鑑賞」するためだ。

 しかし、ビジネス文章は、書き手が読み手に宛てて書いたもの。書き手と読み手の対話が成立している。話し言葉を文章に書いているようなものだ。そう考えると、ビジネス文章は、相手との人間関係が非常に重要といえる。

 書き手と読み手との間には、論理的な情報だけでなく、感情の交錯が必ず付きまとう。「相手への配慮」が、ビジネスを成功に導くカギとなることを、あらためて意識しなければならない。

 次ページから、「相手への配慮」のために意識すべき3つのポイントを解説する。