「技術が分かるだけのエンジニアはもう求められない。必ずコミュニケーション力が必要だ」――。大手IT企業の管理職はこう述べる。もちろん、文章を書いて人に伝えることもコミュニケーションだ。2020年3月1日(日)まで全12回でお届けする特集「伝える!震わす!書く力。」の第10回は、エンジニアやプログラマーがつまずきがちな文章のポイントを記した。
技術とコミュニケーション力を
兼ね揃えた人材を企業は求めている
「技術が分かるだけのエンジニアや、コードが書けるだけのプログラマーはもう求められない。必ずコミュニケーション力が必要だ」――。大手IT企業の管理職はこう述べる。
一方で、次のような実例がある。教育事業を行うある都内の企業は、IT化を推し進めるため、社内外からエンジニアやプログラマーを集めて新たに「IT事業推進部」を立ち上げた。
部長に就いたのは、営業部で次長を務めていたAさん。コミュニケーション力が高く、役員に気に入られているため事業を任されたのだ。
当初は、IT化への機運と可能性の中で部署内は和気あいあいとしていた。しかし、技術や専門知識に乏しいため部下の個々のスキルや納期を考慮せず、取引先に言われるがまま仕事を引き受けてしまう。それは現場へのしわ寄せとなり、部署内の雰囲気は徐々に重くなっていった。