LGBTの象徴であるレインボーカラー
LGBTの象徴であるレインボーカラー。「理系」「文系」など伝統的な"色"に染まらない多様性が、ビジネスリーダーにも必要だ Photo:Meera Fox/gettyimages

 先月、「メガバンク初の理系トップ」というニュースが話題となった。三菱UFJフィナンシャル・グループの社長に就任する亀澤宏規氏は、理学部数学科出身の「理系」だという。あらゆる業種の既存事業がデジタル化で大きく変貌する中で、理系人材がトップに就くことが世間で好意的に受け止められたのだ。

 だが、ちょっと待ってほしい。理系と「文系」を分けること自体、意味がなくなっていることに気付くべきだ。すでに経団連は、2018年に大学での理系と文系の区別は時代遅れだとしている。全てがデジタル化されることを前提にした産業の転換(「デジタルトランスフォーメーション〈DX〉」)の中で、人工知能やビッグデータを使う新しいビジネスモデルに必要な人材を大学で育ててほしいと提言している。

 要するに経団連は、理系・文系の次に来る「DX系」の人材を育成してほしい、と求めているようだ。しかし、その提言の根底にあるのは、相変わらず既存の大企業の組織にはめ込む人材を養成させる発想ではないだろうか。

 DXの必要性は20年以上前から明確だったが、日本企業のほとんどは着手できなかった。自らの組織を否定するようなDXに、自発的に挑戦するのが難しかったからだ。経団連が「DX系の人材が欲しい」とぶち上げても、既存組織の型にはまる人材を求める限り、現状打破は難しいだろう。