私たちを取り巻く大気や水、土、生物といった環境には、常にウイルスや細菌が存在しています。私たちには、それらが体内に侵入したときに即座に反応し、排除する自己防御システムが備わっていますが、免疫力が低下していると、そのシステムがうまくはたらかなくなり、風邪やインフルエンザ、腸炎などの感染症にかかりやすくなってしまいます。
リンパ球はがんの予防にも貢献しています。がん細胞は私たちの体内で毎日自然に出現しているものですが、リンパ球がそれを見つけて攻撃し、増殖を防いでいるのです。免疫力が低下すると、がん細胞は一気に勢力を拡大してしまいます。
また、免疫はアレルギーとも深い関わりがあります。最近、「腸内環境を整えると花粉症予防になる」という話を聞いたことはないでしょうか。アレルギー症状は、免疫機能の過剰反応によるものです。近年の研究では、腸内フローラの異常と、アレルギーの発症には何らかの関係があると考えられています。
善玉菌をサポートする細菌群の多い人はアレルギー疾患にかかりにくい傾向がある、ということも判明しています
ただ温かいものを食べるだけでは腸も体も温まらない!
生活習慣の中でも、「食」は腸の健康にとって最も大切な要素です。とくに大腸のはたらきを活発にするために欠かせないのが、朝食です。朝は、大腸が内容物を排泄するために押し出す「ぜん動」運動の中でも、最も大きな「大ぜん動」が起きやすい時間帯。そこに朝食をしっかり食べることで、胃から大腸へ刺激が伝わり、排便を促すことができるのです。
この大切な朝食に、どのような食べ物・食べ方がよいのかを検証するため、フジッコ株式会社と共同で、食べ物と腸の温度の関連性を調べてみました。次の図は20代の女性が朝食に(1)豆や雑穀、野菜が入った具だくさんのスープを飲んだ場合と、(2)具のないコンソメスープを飲んだ場合の、食後の腹部の温度変化を示すサーモグラフィー画像です。