リニア中央新幹線の建設工事を巡る大手ゼネコン4社による入札談合事件で、鹿島と大成建設の独占禁止法違反を問う裁判が大暴露合戦になっている。証言台に立ったのは、無罪を主張する鹿島と大成建設、すでに罪を認めた大林組と清水建設、そして発注者であるJR東海。ゼネコン側がこれまで「神様」扱いをしてきたJR東海にかみつくなど法廷はまるで修羅場。特集『リニア談合 暴露裁判』では、2019年2月から始まった裁判33回の全傍聴を通じて見えた新事実とともに、現代の談合、業界のヒエラルキー構造を3月2日(月)から6日(金)まで全5回でつづる。
#1 3月2日(月)配信
リニア談合に新事実!証拠の星取表を作らせたのは「被害者」JR東海だった
大林組、鹿島、清水建設、大成建設のゼネコン4社がリニア中央新幹線工事で受注希望工区を調整した“星取表”は「談合」の重要な証拠だ。しかし、表の作成を最初にゼネコンへ指示したのは談合の被害者、JR東海自身であることが裁判で明らかになった。
#2 3月3日(火)配信
リニア裁判有罪の大林組と清水建設が赤裸々告白「談合数字の作り方」
大林組、鹿島、大成建設のゼネコン3社のリニア中央新幹線担当者は、飲食店で酒を酌み交わして親睦を深めながら、工事の発注方式や受注を目指す工事などの情報を交換していた。入札時期が近づくと、入札予定価格を伝達し合うものにエスカレートした。
#3 3月4日(水)配信
リニア談合裁判で鹿島と大成がブチ切れ!被害者JR東海の「ケチっぷり」
リニア中央新幹線工事での「談合」を否定して無罪を主張する鹿島と大成建設を中心に、ゼネコン4社はリニア工事入札の過程を裁判で暴露した。それは、発注者であるJR東海が入札参加者に対し、値下げに次ぐ値下げを要求するものだった。
#4 3月5日(木)配信
「ゼネコンは談合が下手になった」リニア裁判で見えた中堅社員の素人感
本社のオープンスペースで情報交換し、証拠となるメモや書類は残したまま──。リニア中央新幹線工事で入札予定価格を教え合った大手ゼネコン社員たちの手口は、かつて「談合」を担った“プロ”と比べて素人丸出しだった。
#5 3月6日(金)配信
リニア談合法廷で「名指し」のゼネコン大公開、安藤ハザマ、熊谷組…
リニア中央新幹線を巡る「談合」事件は、大手ゼネコン4社が関わった品川駅と名古屋駅の工事に注目が集まった。しかし、裁判ではそれ以外の工事にも話題が及び、前田建設工業、安藤ハザマ、熊谷組など他のゼネコンについて続々と証言が飛び出した。
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