全米で人気の投資家ブロガーが、10代の娘に向けて書いた『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』(ジェイエル・コリンズ著、小野一郎訳)がついに日本に上陸した。アメリカのFIREムーブメントの火付け役となった1冊だ。FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの略語で、若いうちに経済的自由を獲得して、早期リタイアを実現しようというもの。
原著はAmazon.comで1000以上の評価がつき、星5つ中、平均4.8というハイスコアで、読者の評判はすこぶる高い。今回、日本語版の一部を特別公開しよう。
多くの投資家は
「恐れ」と「欲」に縛られている
投資経験が少ないと、これまでの市場の変動を見て、「相場が上がっていたときに売っていればなあ。安いときに買っておけばよかった」とつい考えてしまうでしょう。でも、それは望んでもできない相談です。
私が自分のウェブサイト(https://jlcollinsnh.com)を立ち上げたとき、市場は大きな下げ相場を克服して上げ続けていました。私には次のような質問、意見が次々と届きました。
・今は投資するチャンスでしょうか。もうすぐ暴落するのではありませんか。
・今にも暴落しそうだと考えている人がとても多いようですが……。
・投資の世界に入ったタイミングが悪かったのではないでしょうか。市場が暴落する直前に投資したのではないかと心配しています。
・怖くて何ヵ月も何もしていません。そのために、結局、負けてしまうのではないかと思っています。
・スタートは幸先よくいきたい。いきなり悪くなるのは避けたいです。
・大きな損失を出さないためには、暴落が起きて、それが去るまで待つべきでしょうか。
・大儲けするためには、暴落までは静観すべきでしょうか。
・初めてなので、とても怖いです。
市場がいつか必ず迎える下げ相場の時期に入っていたとしても、質問や感じ方はほぼ同じです。
・市場が底を打つまで待って、それから投資すべきでしょうか。
どの質問でも、恐れと欲という最大の感情的要因が投資家を動かしています。