「遊びでは確かに体は疲れるが心は健康になる。心が元気で気力が充実していれば体も自然と元気になる」(Cさん)

 そういうものなのだろうか。インドア派の筆者としてはこの上なく疑わしく、Cさんが宇宙人か何か別の生き物に思えるのだが、おそらくCさんからすると筆者のようなインドア派が宇宙人に見えるのであろう。

 Cさんはこれまで「“正直しんどい”になる前に手を打つ」という処世術を実践してきたらしかった。極力ストレスを溜め込まず、溜め込みそうになったらオンとオフを切り替えて思い切り遊んで発散するか、またはストレスを与えてくる環境の見直しを図る。“正直しんどい”を回避するためには転職も辞さない構えで、実際にこれまで2度の転職を経験している。

 職場を変える度に環境は改善し、「今の職場はすごくいい」そうだが、しかしそれでも“正直しんどい”に陥りそうな瞬間は度々やってくるらしい。業務の忙しさやポジションなりのプレッシャーがCさんを追い込む。そんな時Cさんはどうするか。

「『あ、これはキツい』と感じたら次の休みにどこか旅行に行く。海外がベスト。妻も旅行が好きで、アクティブな性格なので、誘って『よし、じゃあ行こう』と一緒に。

 旅行に行くと気持ちがリセットされ、悩んだり苦しんでいた自分を客観視できる余裕が生まれる。客観視できると抱えていた問題が大したことないように感じられ、“正直しんどい”が遠ざかる。

 忙しくて“正直しんどい”になってしまった時は旅行の計画を立てて、それを楽しみにして乗り切るか、先に旅行に行ってしまって『この間遊んだからもう少しがんばろう』で乗り切る」(Cさん)

 前者はご褒美方式、後者は燃料充填方式といえるであろうか。オンとオフの切り替えが上手な人はストレスが少なそうで羨ましい、と思わされるが、Cさんは「職場が自宅から近いと切り替えが難しくなる」と毎日片道1時間以上かかる職場をわざわざ選んで通勤している。こうした努力があってこその切り替え上手であるからして、Cさんが勝ち取ったスキルといえよう。

 Cさんはオンオフの切り替えが上手、というよりかは、もっと根本的なところで、自分の状態に敏感なアンテナを張っている性格だと思われる。そして少しでも異変を察知するとそれに対応しようとする行動力がある。こうしたCさんの性格のベースのひとつの発露が“オンオフの切り替え”なのであろう。

“正直しんどい”に対する3人の向き合い方を紹介した。プライベートな時間を娯楽に充てて心のバランスを取る人が多い結果となったが、このほかに仕事で成果を上げることを目標におのれを奮い立たせる人もいるであろう。タイプとしては結婚を夢見るAさんのような“野心家型”といえるかもしれない。

 娯楽に関しては「『飲む・打つ・買う』が代表的な息抜き」とはいえないほど多様化してきているのが現況のようである。これに加えて「プライベートの時間まで奪おうとしてくる企業は悪」といった通念も浸透してきており、時代は個々人が働きやすい方向へと向かっていっている印象である。今後はさらに“正直しんどい”を克服しやすい時代になっていくかもしれない。