がん検診の中で、いくら忙しくとも受けるべき検査と、気にしなくていい検査がある。特集『健康診断のホント』(全18回)の#3を読んで、エビデンスで明らかになった検査の有効性とデメリットをしっかりと頭に入れておこう。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣、医療ライター 山本尚恵)
「日本はがん大国」ともいわれるが
実はがんによる死亡率は減少中
「大人なら誰でも数百個程度のがん細胞を持っているものです」
そう話すのは国立がん研究センター社会と健康研究センター検診研究部長の中山富雄氏だ。
遺伝子の傷ついた異常細胞が固まり(腫瘍)を作って異常増殖する病気であるがんは、長きにわたって日本人の死亡原因第1位の座に居座る。また2人に1人は、生涯で何かしらのがんにかかる。がんで死亡する人の割合も増加の一途をたどっており、「日本はがん大国」といわれることも多い。