国会議事堂
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危機でこそ問われる
政治指導者の資質

 日本についてこれほどに強い失望感を味わったことは記憶にない。

 外交官として多くの外交課題に関わってきたが、国を誤ることがないよう政治指導者を全力でサポートしたいと思ってやったし、仕えた政治指導者の多くも国家の大事では、政治的思惑を超え、国家のために何がベストか選択しようという強い明確な意識を持っていた。

 今日、新型コロナウイルス感染拡大という戦後最大ともいえる国難にあって、日本の政治指導者が官僚、専門家の英智を結集して国民のために正しい判断をしているとは、私には到底思えない。

 コロナ問題についての安倍首相の記者会見も全て見たが、確信をもって国民に語り掛けるというよりも、政治的パフォーマンス以上のものとは受け取れなかった。

 基本的哲学とそれに沿った確信が欠けていたのではないか。

 危機においてこそリーダーの資質が問われる。諸外国の指導者が「今は戦時だ」として感染拡大と医療崩壊防止のために国民に呼び掛ける姿と比較しても見劣りがする。