新型ウイルス騒動で
「未来」が早くやってきた
小宮コンサルタンツ代表
新型コロナウイルスへの対応で大変な企業も多いことと思います。現状では、とにかく、お客さまや社員の安全を確保することとともに、手元流動性(現預金)を多く持つことで資金繰りに支障をきたさないことが重要です。ウイルス問題は必ずどこかで終わりますが、長引く可能性があります。健康も資金繰りも、長期戦を覚悟する必要があるかもしれません。
一方、このウイルス騒動で、私は「未来が早くやってきたのではないか」と思うことがあります。その一つがテレワークです。私の事務所は15人いますが、都内ということもあり、今はほとんど全員がテレワークをしています。ウイルス騒動が終わった後も、以前ほどの出勤者数がいなくても、テレワーク主体で問題はないのではないかと思っています。
製造業やサービス業などの現場は別にして、多くの仕事がどこにいてもできる時代になっており、会議はウェブ上でも問題なく済ませることができます。そのことを実感した人も多いのではないでしょうか。働き方改革で在宅勤務が推奨されていましたが、このウイルス騒動で、それが一気に進み、未来が早くやってきたのではないかと私は思っています。
今回のコロナショックが終息しても、いつか再び想定を超える事態が起こることは十分に考えられます。大都市に限らず、企業経営者はテレワーク体制を整えることも必要でしょうが、東京にオフィスを集中させずに、地方都市にサテライトオフィスを置くという選択肢もあるでしょう。
地方都市でもテレワーク環境を整備する動きが活発化しています。例えば、南紀白浜(和歌山県白浜町)では、テレワークに対応したITビジネスオフィスを立ち上げ、セールスフォース・ドットコムなどの企業の誘致に成功しました。ここにサテライトオフィスを置いた企業も大きな成果を上げています。