コロナ禍で進む在宅勤務が「女性活躍」にマイナスに作用しかねない理由
コロナ禍で進む在宅勤務は、女性たちの働き方にプラスに影響するのだろうか Photo:PIXTA

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「在宅勤務」に切り替える企業が増えている。こうした動きがウイルス収束後も定着すれば、働く場所が就労の足かせとなってきた「女性」たちの働き方に、一見ポジティブな影響を与えるようにみえる。しかし、実際の家庭で起こっている問題は複雑だ。(パーソル総合研究所 小林祐児)

テレワークの普及は
「女性活躍」に影響を与えるのか

 コロナウイルス禍によって、都市部を中心にテレワークが広がっている。パーソル総合研究所の調査では、3月から4月、わずか1カ月で2倍以上。全国で正規社員の27%以上、先に緊急事態宣言が出た7都府県においては38.8%がテレワークを実施していることが明らかになっている。

 さて、本稿で考えたいのは、こうした急速なテレワークの広がりが「女性活躍」に対してどのような影響を与えるか、についてだ。かねて企業にテレワークが浸透しないことが、育児を担っている女性の就労の足かせとなってきた。子どもの送り迎えや買い物、料理を家庭の中で中心的に行えば、どうしても長い通勤は難しくなり、結果的に離職や、自宅近くのパート・アルバイトでの就労を選択し、正規社員としての就労から遠ざかってしまう。また、そもそも日本の正規社員の労働時間が長いことも、要因の一つとなってきた。

 以前、筆者は職住近接によってどのくらい女性の労働力確保が期待できるかを推計したことがある。サテライトオフィスやテレワークによって、場所と時間の制約がなくなることにより、未就学児の母親で約79万人、就学時の母親で約14万人が自宅近くにオフィスがあれば働ける可能性があることを推計した(※)。単純に考えれば、通勤時間を大きく減らせるテレワークの拡大は、女性活躍にとってポジティブに作用するようにみえる。
※パーソル総合研究所「サテライトオフィスの設置で働ける可能性のある人〈推計結果〉」