逆オイルショック経済は、これまで原油ビジネスで莫大な利益を稼ぎ続けた総合商社にも大きなインパクトをもたらす。特集『逆オイルショック経済』の#3では、業界随一の石油・ガス権益を持つ三井物産の動向に迫った。(ダイヤモンド編集部 重石岳史)
安永・物産社長が明言
資源も「聖域なき見直し」
「蒸発したエネルギーの需要が、コロナ以前の状態にすぐに戻るとは考えていない。オイル&ガスのビジネスに対し、ファンダメンタルな環境変化が訪れていると認識する必要がある」
三井物産の安永竜夫社長のその発言は、“資源商社”ともいわれる物産のビジネスモデルが、今後大きく転換する可能性を予感させた。
5月1日に行われた2019年度決算の公表会見。新型コロナウイルスの感染拡大や足下の原油安を踏まえ、資源分野の投資方針に対する影響を問うた記者の質問に対し、安永社長は、既に社内で機関決定した資源の投資案件についても「聖域なき見直し」を行うとまで踏み込んだ。
そう言わざるを得ないコロナショックが、物産を容赦なく襲う。