在宅勤務のメンタル危機#4
Illustration:PIXTA

本来仕事の場でない自宅で仕事をするストレスを軽減するためには、最低限の環境づくりが欠かせない。特集『在宅勤務のメンタル危機』(全6回)の#4では、ちょっとした工夫で手軽にできる快適な「おうちオフィス」づくりのポイントを、オフィス環境の専門家に聞いた。(ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

在宅勤務開始!
真っ先に手に入れるべき必須アイテムとは

「パパー、お膝乗せて!」

 在宅勤務中の飯島智さん(仮名)が自宅のダイニングテーブルにノートパソコンを置き書類を作成していると、3歳の娘がアンパンマンの縫いぐるみを抱きながらトコトコやって来た。「駄目だよお仕事中だよ」と言ってみたが、一度言い出したら聞く娘ではない。しょうがないので膝に乗せたままキーボードを打つ。スクリーンが全く見えない。最近すっかり重くなった15kgの体重が膝にめり込む。

 斜め前では妻がヘッドセットを付けてオンライン会議中だ。

「だからー、発注書は木下君に先週送っておいてって言ったでしょ!どうすんの、間に合わないよ!」……家庭では優しい妻だが、仕事の場では部下を激詰めする鬼課長だったことがこの在宅勤務中に分かった。怒声に思わずびくっとする。

 忙しさにかまけて、テーブルの上には朝食の食器がそのままになっている。その脇には、明日までに上司に送らなければならない資料と娘のおもちゃと絵本が小山を作る。

「無理。これ、あと1カ月続くのー?!」声なき叫びをかみ殺す智さん。今日も妻子が寝静まった後に、リビングでこそこそ徹夜作業するしかないな……。

 緊急事態宣言から1カ月。自宅で一定の長時間仕事をするようになってから、なんだか心も体も疲れたと意識する人も多いだろう。それは当然の話で、そもそも家庭は仕事をする環境が整っていないからだ。

 パソコンや資料を広げやすい机、長時間座っていても体に負担が少ないオフィスチェア、そして周りには自分と同様に「仕事をするためにそこにいる」同僚――。程度の差こそあれ、通常オフィスに備わっているものは家にはない。というか、冒頭の飯島家のように、あるのはむしろ真逆の環境だ。唯一作業できる場であるダイニングテーブルを、共働きの夫婦と子供で奪い合うという光景は、そこかしこで見られるはずだ。