そうした中で朝日生命は2020年3月期、1.2万人いる営業職員チャネルでの新契約(年換算保険料)が、前の期に比べて4割近くも減少した。
売り上げの柱になっていた「節税保険」が、国税庁の規制強化によって販売が激減したことが主な要因だ。
一方で、代理店向けに開発した「スマイルシリーズ」などの保険商品は、新契約が同38%増と好調で、新会社が実現すれば、代理店市場にさらに食い込むための大きな足がかりになる。
他方、割安かつ保険期間が1年といった短期の医療保険などの開発・投入に向けて、少額短期保険業者の立ち上げを進めているのは、アフラック生命保険だ。
登記簿によると、同社と同じ所在地に準備会社をすでに4月末に設立している。関係当局への登録作業を経て、年内にも営業を始める計画とみられる。
アフラック生命は20年3月期に、「かんぽ不正」問題のあおりを受けるかたちで、保有契約件数が初めて減少に転じており、グループの持続的な成長に向けた対応策が急務になっている。
少短を巡っては昨年、損保ジャパンが新規参入し小口の地震保険などの販売を始めたほか、住友生命保険が医療保険などを手掛けるアイアル少短を買収している。
さらに、第一生命保険がオンライン完結型の商品の投入をにらんで、今年1月に少短の準備会社を立ち上げるなど、グループ全体の営業改革向けた「箱」として活用を模索する動きが相次いでおり、アフラックが新規参入となれば、業界内で同様の動きがさらに強まりそうだ。