「新規出店をやめない」――。そう語り、強気な姿勢を崩さないスシローグローバルホールディングスの水留浩一社長CEO(最高経営責任者)。特集『ポストコロナ「勝ち組」の条件』(全18回)の#15では、水留社長にコロナ禍を「チャンス」と捉える理由を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)
衛生関係に関する許容度が狭まった
客の戻りは想像以上に早い
――新型コロナウイルスの感染拡大で顧客の消費行動や価値観はどう変化しましたか。
まず、衛生に関する人々の許容度が狭まりました。加えて、日頃の食事を楽しく充実したものにするために、皆さんが工夫している。その行動がかなり定着しましたね。
――そうした行動の変化は、店内飲食主体のスシローに大打撃ではないですか。
そういった心配は当然していました。ただ、想定していたよりも客の戻りは早い。2カ月ぐらいかけて徐々に戻るかなと思っていた時間軸が、半分ぐらいに短縮されているイメージです。
――そうはいっても、コロナ前と比べて客数が減少して営業赤字が続くのではないですか。
当社の損益分岐点は7割台で、売り上げが2割減少しても、利益が出る構造です。固定費を増やさず、変動費の比率を高めているため、他の外食産業に比べて弾力性のある経営なのです。それ故、コロナ禍においても新規出店をやめることはしません。