ポストコロナ「勝ち組」の条件#09
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コロナ禍の週末営業を巡り、従業員からインターネット上で反論が相次いだ三越伊勢丹ホールディングス(HD)。デジタル改革の成果も見通せない状況だが、新型コロナウイルスの影響の中でどのような戦略を描くのか。特集『ポストコロナ「勝ち組」の条件』(全18回)の#9では、三越伊勢丹HDの杉江俊彦社長を直撃した。(聞き手・ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

公休日は出勤せず、従業員の反発には反省
閉店によるお客さまへの影響も判断基準だった

――3月の最後の週末に営業し、「店を開ける意義を語る店長の説明に納得がいかない」「マスクが支給されるわけでもなく、ペーパータオルがなくなっても補充されない」などと、従業員のものとみられる批判がツイッターなどインターネット上に書かれました。

 年度末の時期で、ブライダルリングや学校制服の引き取りなどの需要が多くあり、利用客に迷惑を掛けない範囲での営業としました。こうした顧客からは、「開いていてよかった」という声もありました。閉店するかどうかの判断については、こうしたお客さまに迷惑を掛けてはいけないというポリシーがまず先にありました。

 また当時は、政府から緊急事態宣言は出ていない段階でした。(政府が)出せばわれわれも休むというスタンスだったのですが、世の中も従業員もいろいろと反応してしまいました。そこについて、経営としての判断が良かったのかどうか、反省しています。

――東京都の小池百合子知事が記者会見で「感染爆発 重大局面」と述べたのが3月25日でした。高島屋は翌26日に週末の臨時休業を、大丸松坂屋百貨店は27日に日曜日のみの臨時休業を発表しています。三越伊勢丹ホールディングスは26日が公休日と聞きましたが、杉江社長は出勤していたのですか。

 3月26日に私は出勤していませんでしたが、他の役員と連絡を取れる状態でした。同日にはスタッフが営業の可否を検討し、翌27日に経営会議で議論したということです。4月に入る前の影響の度合いはしっかり測る必要があったと。今振り返ると、26日の夜にでも(会議を)やっていればよかったかなという反省はあります。

 従業員からの不満が表面化したことについては、労働組合への通知の遅れなど、われわれの連絡体制に不備があったためだと反省しています。