日本国内に出回る投資信託の数は、今や約6000本。これだけたくさんの商品があると、「投資信託で資産運用を始めてみたいけれど、どれを選べばいいかかわからない!」と迷ってしまう人も多いことでしょう。本連載では、最新刊『全面改訂 投資信託選びでいちばん知りたいこと』(ダイヤモンド社)を上梓した世界No.1投信評価会社「モーニングスター」トップの朝倉智也氏が、投資信託の賢い選び方をわかりやすくレクチャーします。さあ、あなたも「長期・分散・積立投資」で、人生100年時代の長生きリスクに今から備えましょう!
40歳、手取り月収30万円の太田さんの場合
今回は、「資産形成タイプ」の投資家について考えていきます。まず、以下の7つのステップ(質問)にしたがって投信選びの下準備をしましょう。
ここでは40歳、手取り月収30万円の太田さんを例にとりながら説明していきます。
(1)目標とするライフイベントは?
長い人生のあいだには、結婚や出産、マイホームの購入、子どもの教育など、まとまったお金が必要な大きなライフイベントがいくつかあります。投信選びの第一歩として、まずは資産運用をするうえで中長期的に目標とすべきライフイベントを決めましょう。
ここで目標を設定することは、とても大切なことです。目標がないと、どうしても短期的な視点に陥り、ついつい「3ヵ月で資産を倍にするぞ!」「1年で3倍にしたい」などと考えてしまうからです。投信は投機と違って、あくまでも長い期間をかけてお金を増やすものです。
太田さんの目標は、老後資金を準備すること。これを資産運用の目標に設定しました。