現預金の合計、いざというときに備えておくべきお金はいくら?

 (3)現預金の合計は?
 前述したように、投資の大前提は余剰資金で行うことです。これまでに蓄えたお金と、これから毎月積み立てることのできるお金を合わせて、いくらくらいの金額をリスク商品に回せるかを考えましょう。まずは、手持ちの現預金がどれだけあるかを確認します。

 「現預金」とは、現金や預貯金(定期も含む)など、価格が変動しない資産をさします。したがって、株式や公社債(公共債と民間債)のように価格が変動する資産はカウントしません。

 太田さんがいくつかある銀行口座の残高を足し合わせてみたところ、170万円の預金があるとわかりました

 (4)いざというときのために備えておくべきお金はいくら?
 ここで注意が必要なのは、現預金のすべてを投資に回してはいけない、ということです。

旅行や値の張る商品の購入など、出費があらかじめ予想できる分のお金は現預金のまま残しておかなければいけません。

 また、それとは別に、けがや病気で手術・入院をすることになったり、突然会社が倒産して職を失ってしまったりといった緊急事態に対しても、備えが必要です。

 備えとして手元に残しておくべき現預金の額は、どのくらいが適当なのでしょうか? 少なすぎると本当に緊急事態が起きたときに困りますし、慎重に考えすぎると今度は投資に回すお金がなくなってしまいます。目安としては、毎月の手取り収入の6ヵ月分と考えましょう。

毎月の手取り収入30万円の太田さんは、30万円×6ヵ月分、つまり180万円がいざというときの備えになります。