「耐えなきゃいけないことも、私にとって意味のあること」

 飲食店を経営する事業家としての顔も持つはるな。対人関係において心がけていることを尋ねると、「すべての出会いにおいて、意味があると思うんです。その人と出会ったのは偶然ではなく必然。時には耐えなきゃいけないことだってあるけど、それは私にとって意味のあることだと、自分に言い聞かせるようにしています」。

 インタビューの最後に、これからどのような社会になってほしいかという質問を投げかけてみた。

 「先ほど、LGBTという言葉を私はあまりよく思っていないとお話しました。最近ではそこにQがプラスされ、LGBTQというふうに表現されるようにもなりましたが、私はこの言葉が広く浸透していくことよりも、将来的にはなくなってほしいという願いすら持っているんです。みんなが違う朝ごはんを食べて、職場や学校に来ているように、感情や生き方は人それぞれ。東京オリンピック&パラリンピックも開催されますし、新しい日本のあり方について、世界へ発信する絶好のタイミングだと思います。隣りの人の個性に気づいていける世の中になってほしいですね」

※本稿は、インクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2020」内のインタビュー《ココロのキセキ》内のテキストを転載(一部加筆修正)したものです。