銀行員完全転職マニュアル#1
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新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの企業は業績悪化に追い込まれ、銀行は本領発揮と息巻いている。だが同時に、デジタル化の遅れなど銀行のアキレス腱が露呈した。特集『銀行員完全転職マニュアル』(全17回)の#1では、コロナ禍中に「銀行脱出」を決めた金融エリートの本音を聞く。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

メガバンクからの人材流出が止まらない!
転職する銀行員から漏れ出る本音とは

「当部若手行員としての心構え」――。みずほフィナンシャルグループ(FG)の社内に、そんな題目の隠れた手引書が存在している。サイズはA4用紙2枚分。作成された日付は2012年で、今から8年前にさかのぼる。手引書には「CB若手行員に対する批判」「CB(当部)のいいところ」「心構え」という三つの項目があり、「心構え」の欄にはあいさつや仕事に対する姿勢といった社会人としての基礎が事細かに記されている。

 作成から8年たった今でも一部の若手銀行員に渡されるというこの手引書だが、その存在を知るみずほFG関係者は「これが存在する限り、若手の人材流出は防げないだろう」とため息をつく。

 CBとは、銀行の花形部門である大企業向けの法人営業部を指す。新卒で入社してそこにすぐに配属されるのは「グローバルコーポレートファイナンス(GCF)コース」に採用され、大企業営業や海外業務などエリート部署への配属が約束された最優秀選抜者だ。21年度の新卒採用情報を見ると、通常の総合職は345人の募集をかけているのに対して、GCFコースは30人程度に絞られている。総合職の1割にも満たない狭き門だ。そのトップエリートたちが配属後に、この紙を手渡されるケースが多いという。