ハイテク分野への投資を続けてきたソフトバンクグループ(SBG)は、傘下の英半導体開発大手アーム・ホールディングスも含め、ここ半年で資産売却を巡る900億ドル(約9兆5100億円)余りのディールをまとめ上げた。目下の最大の関心は、ソフトバンクが手に入れたその巨額資金をどう使うかだ。同社はその半分については、自社株買いや債務返済に充てるとしており、先行き不透明な時期にはバランスシート増強に向け、多くの余剰資金が必要だとの考えを示している。だが、威勢のいい創業者の孫正義氏、および同氏が率いるソフトバンクは大胆な取引に打って出る傾向が強いことを踏まえると、何らかのディールを狙っているのではないかとの臆測が浮上している。アナリストや投資家の間で取り沙汰されているのが、新興ハイテク企業への投資拡大や、MBO(経営陣が参加する買収)によるソフトバンクの非公開化の可能性などだ。非公開化に踏み切れば、バイアウト史上、空前の規模になる。