「スガノミクス×バフェット買い」による“日本株見直し説”を唱える理由Photo:atakan/gettyimages

「『スガノミクス』が評価されるきっかけはあるか?」と筆者が考え始めたときに興味深いニュースが飛び込んできた。世界的投資家として名高いウォーレン・バフェット氏による、日本の大手総合商社5社の株式取得だ。そこで思い至ったのが、スガノミクスとバフェット買いが掛け合わされば、投資家が日本株を見直すきっかけになり得るという仮説だ。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

菅政権の経済政策は
アベノミクス「3本の矢」のやり直し

 前官房長官の菅義偉氏が自民党総裁に選出され、16日に内閣総理大臣に就任した。総裁選の帰趨は、安倍晋三前首相の辞任発表後ほどなく決まったので、菅氏の首相就任にサプライズはない。

 党役員の人事と組閣にもサプライズはなかった。派閥の均衡を図るとともに、早期の解散総選挙を想定して内閣の安定性を意識したように見える、意外感の少ない人事だった。

 組閣にあって唯一独自性を打ち出したのは、デジタル担当相の創設、そして人気と実行力を兼ね備えた河野太郎氏を行政改革担当の大臣に任命した「行政改革の重視」だろう。