ザッポスのレジリエンスは十分か?

 企業が嵐に耐え、変化のスピードに耐えるには、どうすればいいでしょうか。

 その答えはレジリエンスにあると、私は考えます。レジリエンスの要素は複雑です。創造性、インスピレーション、人間性、確固とした(しかし柔軟性のある)信念と強固な基盤の上に築かれた進歩が必要です。それこそまさに、私たちがザッポスの創業当初から育んできたものです。

 100年近く変わっていないトップダウンのピラミッド構造で仕事をしている私たちCEOや従来の管理職が、進歩や創造性やインスピレーションの邪魔にならないはずがありません。会社は大きくなればなるほど、官僚的になり、動きが鈍くなって、革新的ではなくなります。それは誰か一人のせいではなく、会社の規模や階層構造がもたらす結果です。

 そうした古い経営スタイルで成長を目指すほぼすべての企業がたどり着く最後のゴールは、倒産です。それを知っていながら、私たちはなぜそのままでいるのでしょうか。

 2000年代の初めに、ザッポスで私たちがやっていることを完璧に説明するフレーズが誕生しました。思いついたのは私ではなく、ほかの経営幹部でもなく、特別なプロジェクトでもなく、コールセンターで働く一人の社員でした。

「私たちはたまたま靴を売っているサービス会社です」

 当時と同じように今も完璧なフレーズですが、最近は靴以外にもたくさんのアイテムを販売しています。私たちは第一にサービス会社ですが、私たちが販売する商品の中には、時間とともに変化する可能性が高いものもあります。今から20年後、30年後、40年後には、靴は、私たちが販売するアイテムの1つにすぎないかもしれません。

 同じように書籍は今や、アマゾンで販売されている何百万というアイテムの1つにすぎません。ヴァージン・アトランティック航空やヴァージン・ホテルを利用している人の中には、ヴァージンの名を冠したCDショップやレコードレーベルがあったことを覚えていない人もいるでしょう。ブランドとして、あるいはさまざまな事業の集合体として、ヴァージンは今も存在しています。時間とともに進化して、成長したのです。

 リチャード・ブランソンはヴァージンのカリスマ創業者としてユニークなキャラクターを持ち、会社の進化の大部分は彼の個人的なビジョンに依存していました。ただし、すべての会社にリチャード・ブランソンがいるわけではありません(実際、第二のリチャード・ブランソンはいません)。ヴァージン以外の世界でブランソン流の考え方をすることが、はたして可能でしょうか。