コロナ禍での“多様な働き方”“多様な属性”の気づき

 清水建設は長期ビジョンとして「SHIMZ VISION 2030」を策定し(2019年)、「スマートイノベーションカンパニー」としてのシミズグループが、変革と挑戦による新たな価値創造の担い手になることを宣言している。そして、その「スマートイノベーションカンパニー」をかたちづくる「イノベーション」のひとつが「人財」であり、「人財」による多様な「働き方改革」を推進している。

「今回のコロナ禍で、これまで、頭の中で何となく描いていた“多様な働き方”や “多様な属性”について、みんなが深く考えるようになったと思います。半ば強制的に働き方を変えざるを得なくなった結果、『こういう働き方もある』『時差出勤やテレワークでも仕事ができる』といった気づきが生まれ、あらゆる従業員の存在やそれぞれの働き方・価値観の違いを意識し、きちんと受け入れるようになりました。多くの従業員がせっかくそうした姿勢になったのだから、私たちダイバーシティ推進室はみんなの背中を押していきたいですね。コロナが去って元の世界に戻っても、“多様”を認める意識がリセットされないように」

 今後も増えていく外国人従業員に対して、清水建設のダイバーシティ推進室はどう向き合っていくのだろうか? 西岡室長のメッセージを聞いた。

 「外国籍従業員たちは、もともと『ダイバーシティ』に対しての感度がとても高く、コロナ禍がもたらした日本人の意識の変化を感じていると思います。自分の周りがダイバーシティを受け入れるようになってきた、インクルーシブな状況になりつつある――そうした事実を受け止め、いまがチャンスだと思ってほしい。2010年に新卒で入社した(外国籍)従業員をはじめ、彼ら彼女たちはこれから昇格試験を受ける世代になっていきます。いろいろな仕事のチャンスが巡ってきて、活躍の場が普通に与えられるようになります。持っているはずの本来の力を発揮できるステージが用意されるのだから、ジャニー(喜多川)さんではありませんが(笑)、私は、『YOU、やっちゃいなよ』という思いです」

※本稿は、現在発売中のインクルージョン&ダイバーシティマガジン「オリイジン2020」の記事「清水建設のダイバーシティ推進と外国籍従業員」に連動する、「オリイジン」オリジナル記事です。