同じく仙台を拠点として活動する弁護士の太田伸二さんも、「川久保さんの話にあるように、外国人の方、特に留学生の方々の現状は極めて厳しいものです」と語る。

 外国人と生活保護については、世の中に多様な意見がある。しかし、日本の法や制度が定めた原則は極めてシンプル、かつ相当の合理性がある。

「まず、外国人への生活保護の適用について、『法的権利として保障される』とはされていません。しかし、そのことを確認した2014年の最高裁判決でも、行政上の措置として保護を行うことは否定していません」(太田さん)

日本に突きつけられた問い
「国籍差別」を容認する国でいいのか

 現在の日本では、生活に困窮している人に対しては、国籍と無関係に「生活保護を適用する」という措置を行ってかまわない。当然といえば当然の話である。そうしなければ、「国籍を理由に死なせる」という究極の国籍差別となる。

「現在の行政運用では、それに加えて、入管法上の一定の在留資格を有する人には生活保護法を“準用”して保護を行うとされています」(太田さん)

「一定の在留資格」は、「永住者」「定住者」「永住者や定住者の日本人配偶者等」「認定難民」など、極めて狭く制約されている。一般的な外国人労働者や留学生は含まれていない。意を決した留学生が福祉事務所を訪れて生活保護を申請しようとしても、法律や通知通達などに従った運用の結果、在留資格を理由として拒絶される可能性は高い。

 問題は、現在の規定をもとに「規則は規則ですから」という適用を行った場合の結果だ。

「新型コロナウイルスの影響は、極めて甚大かつ未曾有のものです。外国人への生活保護法の準用を決めた時点で想定されていた状況とは、全く異なる現状があります。そのような事態に至っても『留学生の方々の自己責任』として放置することは、人道上問題です」(太田さん)