米大統領選挙まで残り日数が少なくなる中、民主党候補のジョー・バイデン氏は世論調査と資金集めの面で、ドナルド・トランプ現大統領に対して大幅なリードを維持している。民主党は2016年の失敗を絶対に繰り返さないよう多くの選択肢を確保しているが、その一方で、「ブルーウェーブ(民主党の大勝)」が起きる可能性もあるのではという淡い期待も抱いている。バイデン陣営は、伝統的に民主党の地盤と考えられていた地域を取り返すとともに、あわよくば紫色(勢力拮抗)の州だけでなく、赤(共和党支持)寄りの州でも選挙人の獲得数を積み上げ、地盤を拡大できる好位置に付けていると考えている。しかし、4年前の大統領選の悪夢はぬぐい去ることができない。ヒラリー・クリントン氏の選挙陣営も、現在のバイデン陣営と同様の選択肢に直面し、多くの州の奪取を目指して労力と資金を費やしたが、結果的にペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガンの3州を、合計8万票以下の票差でトランプ氏に奪われた。