人権ストに参加しないなら
「ウーバーを消せ」?

 企業の人権問題に対するスタンスが広く注目を集めるのは、今回のBLM運動に限った話ではない。

 ここまで多くの企業が大胆な情報発信や事業活動の転換・修正に踏み切ったのは、BLM運動の影響力の大きさ故であることは確かだ。しかし「人権問題に対して明確なコミットメントを見せない企業に批判が集まり、抗議や不買運動につながる」こと自体は、近年よく見られるようになった現象だ。特に欧米ではその傾向が年々強まっている。

 例えば17年には、トランプ大統領がイスラム教圏7カ国の移民とシリア難民の入国を制限する大統領令を発出した際、大統領令への抗議活動として、米ニューヨークの国際空港でタクシー業者による大規模ストライキが発生した。そんな状況下でウーバー(Uber)だけは通常通り営業活動を続けていることが判明。SNS上では、ウーバーがストライキに参加しないことを問題視し、スマートフォンからウーバーのアプリを削除する画像をハッシュタグ「#DeleteUber(ウーバーを消せ)」とともに、つぶやきを投稿する人が続出した。行動を起こさないということは差別を容認しているのと変わりない、と判断されたのだ。

“To be silent is to be complicit.(黙っているのは加担しているのと同じだ)”という考え方が国際社会で主流になりつつあることについて、日本企業は改めて、認識を新たにする必要がある。