地銀関係者が「関東地方における次の再編候補」として固唾をのんで動向を見守っていた孤高の地銀、群馬銀行がTSUBASAアライアンスへの参加を決めた。覇権争い上、これを機に関東の地銀は、さらなる再編に動く可能性が高い。特集『銀行再編の黒幕』(全16回)の#7では、“地銀トップ”である横浜銀行の次の一手を探る。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)
“孤高の銀行”群馬銀がついに動く
関東地銀再編の最終章が幕を上げる
「千葉銀行の佐久間(英利)頭取は地銀界で今、一歩抜きんでている。(地方銀行広域連携の枠組みである)『TSUBASAアライアンス』をうまくまとめ、武蔵野銀行(埼玉県)を一本釣りし(2016年に包括提携締結)、強敵である横浜銀行(神奈川県)をうまく転がした(19年に業務提携締結)」
今秋、ある大手地銀幹部は「あっぱれ」とばかりにそう語っていたが、11月9日には関東地方の有力地銀で唯一、独立路線を歩んでいた群馬銀行までもが、ついにTSUBASAへの参加を決めた。
15年に千葉銀、第四銀行(新潟県)、中国銀行(岡山県)で立ち上げたTSUBASAには、これで11行が名を連ねることになる。
群馬銀は関東で立て続けに再編が起こる中(下図参照)、地銀関係者が「次の再編候補」として固唾をのんで動向を見守っていた孤高の地銀といえた。
特に、「群馬銀が八十二銀行(長野県)の出方と共に注視していた」(前出の地銀幹部)山梨中央銀行が、静岡銀行と包括業務提携を発表した10月末以降は、群馬銀の“結婚”は時間の問題だとして緊張が一段と高まった。
候補先としては、TSUBASAの他にもいくつか名前が取り沙汰されていた。