地方エリートの没落 地銀・地方紙・百貨店#2
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「スガノミクス」の改革ターゲットとして再編待ったなしの地方銀行はどこなのか。特集『地方エリートの没落 地銀・地方紙・百貨店』(全13回)の#2では、金融庁が問題視する収益性低迷、コロナ禍に伴う企業倒産地獄がもたらす財務健全性の悪化、さらにかつて金融庁が試算した都道府県別の「存続可能地銀数」という三つの観点から、地銀103行を独自にランキングした。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)

地銀103行への再編圧力が急上昇
独自ランキングで「次の候補」に迫る

「今は、自分たちの取引先企業が生き残れるかどうかが地方銀行にとっての死活問題。再編はしばらく起こらない。コロナで先送りだ」

 首都圏を中心に緊急事態宣言が続いていた5月半ば、ある東北地方の地銀幹部はそんな“宣言”を口にしていた。だが、事情は一変した。先送りしたはずの問題がにわかに地銀経営陣に迫りつつある。

「再編も一つの選択肢になる」。地合いを変えたのは、9月16日に誕生した新内閣を率いる菅義偉新首相が、自民党総裁選の直前に放った一言だった。政府主導による地銀再編劇への期待からか、多くの地銀の株価は一気に上昇。さらに、業務提携を進めていた青森県内の地銀2行、青森銀行とみちのく銀行の統合観測まで浮上した。突如として高まった業界再編の機運を前に、青森・みちのく連合の行方を含め、銀行業界の関係者は地銀の動向を注視している。

 では、菅新政権が打ち出す「スガノミクス」の中で、再編候補として照準が当てられそうな地銀はどこなのか。

 詳しくは順を追って説明するが、ダイヤモンド編集部では収益性と財務健全性、そして都道府県別の存続可能な地銀数という三つの観点に基づき、6指標で103行の「経営危険度」ランキングを作成。かつて地元の「殿様」と呼ばれた地方エリートの姿が見る影もなくなり、再編もやむなしの状態に追い込まれた“没落”地銀がどこなのかを割り出した。

 では、早速ランキングの結果を見てみよう。

【ランキングの6指標と点数配分】
(1)本業利益率:15点
(2)本業利益率改善度:10点
(3)営業利益(コア業務純益〈投資信託解約益を除く〉):15点
(4)営業利益増減:10点
(5)自己資本比率:30点
(6)都道府県別の存続可能地銀数:20点
※菅首相が「地銀の数が多い」と発言した前後で比較した、地銀持ち株会社傘下を除く上場地銀63行の株価上昇率とその順位を参考値として掲載