日本銀行は、再編を選択した地方銀行に対して、当座預金に0.1%の金利を上乗せする特別制度を導入する。特集『銀行再編の黒幕』の番外編では、金利上乗せ分を考慮したときに、営業利益の改善度が大きい地銀はどこなのか、ランキング形式でお届けする。(ダイヤモンド編集部 田上貴大、清水理裕)
日本銀行が再編を選択した地銀に金利上乗せ
利益確保に苦しむ地銀には干天の慈雨
『日銀の再編支援策で恩恵を受ける地銀ランキング!3位千葉銀、1位は?』で述べた通り、一定期間内に経営統合した地方銀行に対して、日本銀行は当座預金の残高に0.1%の金利を追加する特別措置を導入した。
地銀の経営陣からは「このために再編することはない」という声も聞こえてくる。だが、利益水準が低く存亡の危機に立たされた地銀にとっては、この金利上乗せは干天の慈雨にもなり得る。再編に向け考えを巡らせる地銀が出てきて、呼び水となる可能性は十分ある。
今回ダイヤモンド編集部では、再編を経て日銀の特別制度が適用されたと仮定して、金利上乗せが地銀の決算にどこまで改善効果があるかを調べた。具体的には、上記の『日銀の再編支援策で恩恵を受ける地銀ランキング!3位千葉銀、1位は?』という記事で計算した単年の金利上乗せ金額が、銀行の本業の利益を示すとされる「投資信託解約益を除くコア業務純益」をどこまで押し上げるかを算出。赤字が縮小した地銀を先頭に、その改善率が高い順にランキングを作成した。
実際は、制度の対象となる当座預金には上限額が設定されており、今回計算した金利上乗せ金額はあくまで実勢を測る“物差し”として見てもらいたい。なお、「投資信託解約益を除くコア業務純益」は一般事業会社では営業利益に近い数字であるため、ランキングでは営業損益と記してある。次のページから、結果を見ていこう。