業務システムのコスト削減やフィンテック対応などは、多くの地銀にとって共通課題だ。一方で、共通であるが故に、この課題が地銀同士の距離を縮める磁石の役割を果たしているようだ。特集『銀行再編の黒幕』#12では、業務システムの視点から、再編の行方を占う。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
力強くはためく「TSUBASA」
群馬銀行が参加で一大勢力に
「このままTSUBASAが拡大したら巨大勢力になる」
11月6日、群馬県のトップ地方銀行である群馬銀行がTSUBASAアライアンスに参加するとの一報を受けて、東北地方の地銀幹部は警戒感をあらわにした。
TSUBASAは、事務システムを共同化し、コストを削減することなどを目的に、千葉銀行を核としてつくられた地銀の広域連携の枠組みだ。2015年10月に第四銀行と中国銀行との3行で立ち上げられたのだが、この数年で勢力を急拡大しているのだ。
毎年のように参加行が増え、今では11行を数える。しかも参加行は、いずれも都道府県別のメインバンクの社数シェア(東京商工リサーチ調べ)で2位以内に入る。金融庁幹部も、TSUBASAを「強者連合」と見て一目置いている。