前回は、医療用精密器具のトップメーカーのマニー株式会社が、ミャンマー進出に至った経緯と、その進出のプロセスについてご紹介した。今回は、進出後のオペレーション、なかでも人的管理面に焦点を当てたい。今回も松谷貫司会長、そしてそれを実務面からサポートしてきた高井壽秀副社長、榎本勲MANI YANGON LTD社長にお話を伺った。
進出時に認識すべきミャンマー人の気質とは
――実際にミャンマーに進出して、当初思っていた以上にミャンマーっていいなと思った点は何か。
松谷会長 そうですね、人は素晴らしいですよ。優秀な人も多いし。現状で見てみれば働いている人は、一生懸命働いてくれていますね。やっぱりそれなりのサポートをしてあげれば、会社に付いてきてくれる人たちは結構たくさんいますよね。
―― 一方で、実際に進出してみて見えてきた問題点、日本にいた時には気が付かなかった問題点はあったか。
松谷会長 私が感じたところは、一人ひとりは素晴らしいのに、集団になるとあんまり素晴らしくないという点です。特に、会社に勤めたことがない人が来ると、そういうことがあるんですが、周りの仲間に仕事のコツなんかを教えない傾向があります。
――それはなぜなのか。特定の人がそうなるのか。
松谷会長 ちゃんと教育すればそうじゃなくなるのですが、基本的に自分が得た知識は自分のものと考える傾向があります。私が思ったのは全員そうです。日本人とはそこが違うかなって。