民泊仲介サイト最大手の米エアビーアンドビー(Airbnb)は今週提出した上場資料の中で、中国事業の継続を巡る不透明感が自社のブランドと利益に対するリスク要因だとの見方を明らかにした。複数の関係者によると、中国で事業運営を続けるかが以前から幹部陣の間で議論になっており、この点を巡り突然辞任した幹部もいた。エアビーが2019年5月に同社初の「最高信用責任者」に引き入れたショーン・ジョイス氏だ。同氏は連邦捜査局(FBI)の元副長官で、この役職にはエアビー利用者を保護する役目もあった。関係者らによると、エアビーが中国当局と膨大な数の利用者のデータを共有している点を懸念し、ジョイス氏は半年後に辞任した。ジョイス氏は在任中、中国政府とのデータ共有についての情報開示が不完全な点を警戒するようになったという。エアビーは中国に旅行する米国人のデータも同国政府と共有していた。さらに、中国がさらに範囲の広いデータを要求した際、エアビーが応じる構えを示したと見て、同氏は警戒感を募らせた。