2001年9月11日の米同時多発テロに端を発した航空業界の危機により、最終的に格安航空会社が余暇需要向け市場をリードする状況になったことは誰の目にも明白だ。新型コロナウイルスがもたらす危機は、ビジネス需要向け市場への影響の鍵となる可能性がある。ユナイテッド航空、デルタ航空、サウスウエスト航空の米航空大手3社は先ごろ、冬季を迎える中で売り上げが悪化しつつあるとの危機感を明らかにした。だが、ロックダウン(都市封鎖)が緩和された今年の夏がそうであったのと同様に、ワクチン配布が始まれば、ホリデー向けの格安フライト需要が回復する可能性がある。ビジネス出張はまた別の話だ。航空会社の経営陣はテレビ会議システムの利用増加で、市場の15%のシェアが恒久的に奪われる可能性があると考えている。この縮小するパイを巡る競争は、航空業界の最も利益性の高い部分の形勢を変える可能性がある。