英政府は医薬品規制当局に対し、英製薬大手アストラゼネカが開発している新型コロナウイルスワクチンの緊急使用承認へ向け審査するよう求めている。一方、欧州当局は一握りの有望なワクチン候補の審査をより柔軟に行う可能性に言及している。こうした動きは欧米の規制当局の競争を加速させるものだ。3つのワクチン候補を巡って相次いで良好な臨床試験データが公表されたことがその発端となっている。米製薬大手ファイザーとドイツのビオンテックによるワクチンと、米バイオテクノロジー会社モデルナが開発するワクチンは、いずれも大規模なヒト臨床試験で新型コロナ感染の予防に90%以上の有効性を示した。アストラゼネカは23日、オックスフォード大学と共同開発中のワクチンについて、最大90%の有効性が確認されたと発表したが、それは2回分の接種のうち、初回の投与量が少なかった少数の被験者のデータにすぎない。2回分を完全に投与された被験者グループでは、有効性は62%だった。
コロナワクチン、欧米規制当局の承認レースが火ぶた
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