米主要株価指数が軒並み上昇していることで、投資家の間では現在、安ど感が広がっていることだろう。だが、ウォール街の「恐怖指数」は正反対の状況を示唆している。米株式市場は足元、新型コロナウイルス予防ワクチンの開発進展や米大統領選を無事通過したという安心感から、過去最高値を更新。24日に初めて3万ドルの大台を突破したダウ工業株30種平均は月初来、13%値上がりしており、月間としては1987年以来の大幅な上昇率を記録する勢いだ。S&P500種指数は月初来11%、ナスダック総合指数は12%それぞれ上昇。27日の取引では、そろって最高値を更新して終えた。市場のボラティリティーではここ数日やや収まっているものの、Cboeの米VIX指数は2月24日以来、195営業日にわたり節目の20を上回って推移している。ダウ・ジョーンズ・マーケット・データによると、前回ここまで高止まりが続いたのは世界的な金融危機のさなかで、2009年に途絶えた。VIX指数はS&P500種のオプション取引価格から算出され、通常は株高局面で低下する。
空前の米株高、オプション市場は異なるシグナル
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